研究概要
対策の全体目標
自覚症状に乏しい慢性腎臓病(CKD)を早期に発見・診断し、良質で適切な治療を早期から実施・継続することにより、CKD重症化予防を徹底するとともに、CKD患者(透析患者及び腎移植患者を含む)のQOLの維持向上を図る。
目標を達成するため、国や関連学会等は、評価指標等を用いて、本報告書に基づく対策の進捗管理を実施する。その状況は、ホームページ等で公開されることが望ましい。また、国や関連学会は、進捗管理の過程で、KPI の達成が困難と判断される場合には、適宜検討を行い、後述する実施すべき取り組みに見直しを加えながら対策に取り組み、目標達成に努める。
達成すべき成果目標(KPI)及び評価指標
地方公共団体は、他の行政機関、企業、学校、家庭等の多くの関係者からの参画を得て、腎疾患の原因となる生活習慣病対策や、糖尿病性腎症重症化予防プログラムの活用等も含め、地域の実情に応じて、本報告書に基づく腎疾患対策に取り組む。
(評価指標)
・市町村単位での対策の取組状況
・糖尿病性腎症重症化予防プログラムを活用する市町村数 等
かかりつけ医、メディカルスタッフ、腎臓専門医療機関等が連携して、CKD患者が早期に適切な診療を受けられるよう、地域におけるCKD診療体制を充実させる。
(評価指標)
・紹介基準に則った腎臓専門医療機関への紹介率
・腎臓専門医療機関からかかりつけ医等への逆紹介率
・地域における CKD 診療を担う、かかりつけ医等の医療従事者数 等
2028年までに、年間新規透析導入患者数を35,000人以下に減少させる。
(2016年の年間新規透析導入患者数は約39,000人)
(評価指標)
・新規透析導入患者数について、2016年比で、5年で5%以上減少、10年で10%以上減少を達成する都道府県数 等
その際、地域の実情に応じて、人口当たりの導入患者数や、年齢調整、原疾患別の評価等を行うことも有用と考えられる。
個別対策
個別対策について、現時点での課題を整理するとともに、それらを克服するために今後施すべき取り組み及び取り組みの評価指標を示す。平成20年に取りまとめた「今後の腎疾患対策のあり方について」に基づき、施策を実施してきた5本の柱(「普及啓発」、「地域における医療提供体制の整備」、「診療水準の向上」、「人材育成」、「研究開発の推進」)を踏まえて、本報告書においても5本の柱ごとに対策を検討し、取りまとめている。